阿部康雄 アベ ヤスオ
1967年3月27日生まれの
44歳、B型。新潟を引っ張
るご存知「アベヤス」。8月
に選手生活20年を迎えた。
直線での強襲が持ち味で、
穴党からの支持は高い。通
算316勝。180cm、85kg。
―地元弥彦のFⅠ(9月21~23日)は決勝7着。
原因は年齢なのか体調なのかわからないけど、今イチ調子が上がらない中での地元戦でした。練習とかを少し変えてみたけど、周回中から脚がいっぱいになるのがわかっていたので、ダメだろうと思っていた。

初日(5着)にもうひと伸びしてくれたら楽しい競輪になったんだけど、伸びる感じがしなかったですね。準決(2着)はクリアできたけど、これは展開。柴田洋輔君(東京)が頑張ってくれたから。本当なら差し切るくらいじゃないといけないんだけど、余裕がなかった。決勝(7着)は関東で結束したけど、別線が強かった。宿口陽一君(埼玉)が強引に出てくれたが、僕の脚はいっぱいだった。

―強気な言葉が出てきませんが…。
練習とかでいろいろ試したり、過去を振り返ったりしているけど…。ちょっと前に出た腰痛の影響もあるのかもしれませんね。腰はもう問題はないので、これから戻していけたらと。

―1991年8月のデビューですから、選手生活が20年です。
GⅠ、GⅡで勝ち負けできるできる選手じゃなかったけど、20年間、一生懸命やってきた。ずっとS級で戦えているし、GⅢも何回か優勝できました。

選手になってからの5年、10年は上を目指して必死にやってきた。S級で新潟ひとりの時期もあったし、ものすごく練習していましたね。普段は練習で疲れきっていて、競走がある開催で疲れを抜くみたいな感じでした(笑)。

疲れを抜こうと練習を緩めると、これで大丈夫かと不安になる。それでまた強い練習をすると疲れる。そんなサイクルでした。自分の体の状態を数値化して、「疲れている」とか、「元気」とかがわかる機械が手元にあればなと思っていました。

40歳くらいからは体と相談しながらの調整が主になって、疲れを残さない、無理をしない練習に切り替えた。競輪を「楽しもう」と。ただ、やっぱり負けると悔しいし、楽しくない。そうすると練習って感じになるから今は体調管理が難しい。

―この20年間を振り返って、パッと頭に浮かぶレースは?。
優勝した昨年12月の佐世保記念・決勝かな。

―どうしてそのレースが印象に?
深谷知広君(愛知)や長塚智広君(茨城)など、すごいメンバーが相手でした。もう無理だという位置(深谷が逃げて、阿部選手は最終バック最後方)から伸び切っての優勝だったからすごく記憶に残っています。

―阿部選手というと外強襲のイメージですが。
佐世保の決勝はイン強襲になったけど、できれば外を踏みたい。コースを探してじゃなくて外を踏むという感じですね。内に行くと落車の危険性も高くなりますから。ただ、最近は自分のイメージ通りには外を伸びてくれない(苦笑)。

―話題を変えます。関東地区プロ自転車競技大会(10月27日・前橋)について聞かせてください。
ケイリン競技に出場します。来年7月の寬仁親王牌(弥彦)への出場権もかかるから頑張りたいんだが…。メンバー、今の状態を考えると、なかなか難しいかもしれない。

―最後に、今後の阿部康雄について。
最近よく思うのは、「初心忘るべからず」ということですね。調子を落としているから、以前の気持ちとかを振り返ることが多くなった。若い頃、強くなるために苦しい練習をこなしてきたことを思い出して、弱気になっている自分に喝を入れています。

取材日 10月2日
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