◆A級戦
今年も弥彦競輪の最終戦は、福島県喜多方市にあるサテライト会津の冠がついた開催になる。
A級1、2班戦の中心は真鍋顕汰(三重)だ。9月11日の四日市で落車した影響が気掛かりだったが、復帰戦の青森で優勝。直前の豊橋では先輩の伊藤裕貴(三重)のS級特昇に貢献しての決勝2着と、調子に関しては不安がない。今年の優勝8回の実績は一枚も二枚も抜けている。弥彦では昨年7月のチャレンジ戦で決勝2着。地元期待の治田知也には敗れたが、果敢な仕掛けを披露しており、悪いイメージはないはず。
西村豊(三重)、吉田健市(愛知)が真鍋に続く。西村は直前の豊橋初日にまくり勝ちがあっり、脚は戻ってきた。一方、吉田は落車で波に乗れない近況だが、8月末の大垣では真鍋の先行を差している。
弥彦バンクと好相性の岡部芳幸(福島)に警戒する。昨年8月に番手差しで優勝して、今年7月は決勝で4着。ベテラン健在ぶりをアピールした。高木翔(岩手)とは直前の豊橋で連係していないため、好位からの強襲策で台頭を狙う。
高木は8月の豊橋を4番手からの強襲で優勝。最終バックを先頭で走るような自力勝負はほぼなくなったが、タテ脚の切れは上位ランク。自力型が手薄な今回は、総合力が試される。
関東地区の軸になるのは吉田裕全(埼玉)。9月の弥彦がそうだったように、7月からのA級戦では決勝を外すケースが多かったが、ここ2場所は決勝で2着、6着。通算100勝を決めた当所で奮起したい。
城幸宏(山梨)は今年3回目の弥彦出走になる。過去2回は準決で敗退。今回こそはの気持ちで走る。10月の西武園で完全優勝を決めており、状態は確実に上向いている。
まくりに威力がある菅谷隆司(東京)は前走の京都向日町で決勝4着。一発を狙っての出走になる。
地元新潟の滝本幸正は欠場者の代わりに追加あっ旋で出走が決まった。10月の報知新聞賞で地元優勝を決めており、今回も大駆けに期待したい。
南関勢では差し脚ある岡本英之(千葉)に注意する。
◆チャレンジ
123期の3選手による優勝争い。望月湧世(静岡)は7月の大宮、名古屋を優勝。それ以降は優勝がないが、勝ち星のほとんどが逃げ切り勝ち。レース内容にもこだわって戦っている。同期対決でも攻めの姿勢を貫いており、今回も積極策で臨む。
普段は自力で戦っている野口修平(神奈川)だが、望月と同乗したレースではマーク策になるか。
吉田晏生(埼玉)は3回目の弥彦出走になる。過去2回は人気になった決勝で2着、4着に終わっており、狙うは優勝のみだろう。ここ3場所で2回の優勝と、調子を上げてきた。カマシ、まくりが一番の武器で、課題は持久力。仕掛けのタイミングを考えて戦いたい。
関東の追い込みでは佐藤謙(栃木)が点数上位。阿久津修(東京)は若手相手でも先行、まくりで戦うスタイルを貫いており、吉田と同乗した場合にどう走るか注目したいところ。
出口謙一郎(岐阜)は7月の大垣、立川、8月の福井を優勝。高校、大学と自転車競技で活躍しており、レース運びのうまさを持ち合わせている。望月、吉田の動きを見極めてのスパートなら、あっさり勝っても不思議ではない。10月の2開催を欠場しており、体調面がカギになる。
北日本には若手が不在。ベテランの高橋明久(岩手)と田村純一(福島)が自力勝負で抵抗する
◆ガールズ
勢いに乗っているのは吉川美穂(和歌山)だ。7月のサマーナイトFに続き、10月のGⅠ、オールガールズクラシックで決勝2着。この活躍もあって賞金ランクは4位をキープしている。スピードあるまくりで他を圧倒しそうだ。
弥彦とは好相性の小林莉子(東京)が抵抗する。直前の平塚を完全優勝。GP出走へ勝負駆けとなる次走の小倉競輪女子王座戦を前にさらに弾みをつけたいはずで、前へ前へと攻めていく。
9月の弥彦で決勝2着の中野咲(愛知)にも警戒。今年は飛躍の年になった印象で、直近の松阪、京都向日町を連覇しており、優勝は6回。脚力がアップしたことにより、まくりでの勝ち星が増えた。
9月末の久留米を逃げ切りで優勝した林真奈美(福岡)が侮れない。思い切りのよさが身上で、8月以降の8場所24走で8勝、2着5回、3着6回と好調だ。今回も一発が怖い。
當銘直美(愛知)は追加あっ旋で出走する。7月の立川優勝以降は1着がないが、安定して上位争いに食い込んでいる。勝負できる位置を確保できれば怖い存在になる。
8月の小倉と豊橋を連覇した増田夕華(岐阜)にも注目したい。相手次第では逃げても勝負になる選手で、まだまだ伸びシロがある。弥彦は初出走になる。
10月の松戸GⅠを経験したことを今後に生かしたいのは廣木まこ(福岡)だ。普通開催では決勝の常連で、タイミングを見極めてのまくりが一番の持ち味だ。