◆S級戦(弥彦競輪PR誌CREATE11月号より)
新田祐大(福島)が軸だ。8月の松山GⅢを制したあと、川崎、熊本のFⅠで連続失格。ファンが期待しているレースと実際の内容が隔離しており、もどかしい結果だったが、9月の松戸準決、決勝では積極策を披露。弥彦でも内ではなく外を仕掛ける姿が見たい。
和田圭、阿部力也の宮城勢が新田に続く。和田は昨年10月の当所GⅠ、寬仁親王牌の最終日に新田と連係してワンツーを決めた。今年も成績は安定しており、新田の仕掛けにきっちりと続きたい。阿部も新田と好相性で、番手を回ったレースではワンツーが多い。
和田真久留(神奈川)が逆転を狙う。今回はラインの先頭で戦うレースが多くなるが、動いて決勝2着だった9月の京王閣FⅠの結果から、全く心配はない。充実の神奈川の主力として、勢いがある走りを披露だ。
地元の弥彦で大駆けを狙う滝本幸正(新潟)にも期待したい。まだ安定感はないが、9月の岐阜GⅢでの好走は印象深い。積極果敢な仕掛けが決まれば、柿澤大貴(長野)、末木浩二(山梨)の選手会新潟支部勢が大きく浮上する。
武田豊樹(茨城)は8月の松戸GⅢで落車した影響で欠場が続く。復帰なら、橋本瑠偉(栃木)など関東の自力型を目標にできそうだ。
54歳でもS級上位をキープする山口富生(岐阜)。中部地区では小堺浩二(石川)くらいしか動く選手があっ旋されていないが、直線でコースを突いて伸びる。
山本伸一(奈良)は9月の2開催で苦戦したが、自在に動いて活路を開きたい。
◆ガールズ
ガールズケイリンの記録を塗り替え続ける石井寛子(東京)が中心になる。9月の小松島での優勝で、ガールズケイリン開催競輪場全42場での優勝を達成。9月いっぱいで通算642勝と、レジェンド級の活躍を見せる。この開催のあとの大一番に向けても、賞金を上積みしたい弥彦開催。昨年の7月と同様に3連勝を決めたい。
高い競走得点をマークしている那須萌美(宮崎)が逆転候補の筆頭になる。8月の佐世保、京王閣を連覇して、9月末の川崎でも決勝2着と、高いレベルを維持している。流れの中で好位を確保して、持ち味の切れ味を発揮したい。
ガールズケイリンを語る上で、石井とともに欠かせない存在なのが中村由香里(東京)だ。1期生のエース格として加瀬加奈子(新潟)とともに時代を切り開いてきた。脚力はまだまだトップクラスで、5月の奈良からの13場所で決勝を外したのは1回だけだ。
五味田奈穂(千葉)は早めに仕掛けてレースを動かすスタイルが魅力だ。今開催は先行型が少ないだけに、勇気を持ってスパートしたい。6月の弥彦開催は長い直線に苦しみ勝ち上がりを逃したが、最終日に逃げ切り勝ちを決めている。
2着、3着で狙いやすいのは佐伯智恵(愛媛)。8、9月の開催5場所で4回の決勝進出。10月の玉野では成績を落としたが、流れを読み切って好位を確保できれば車券に絡んでくる。
動いて1着が取れる杉沢毛伊子(静岡)が穴候補。9月の3開催は最終日の一般戦を勝利。弥彦は何度も走っており、バンクの特徴は頭に入っている。積極型が少ない今開催は、その動きに警戒が必要だろう。
8月の高松で決勝2着に入る好走を見せた田中月菜(佐賀)が力をつけている。自力も打て、決勝の常連になりつつある。
9月の平塚から3場所連続で決勝に勝ち上がった金田舞夏(福岡)。弥彦バンク初出走で、相手次第では先行策もあり注意は必要か。
追加での出走になる黒河内由実(長野)には地元ファンを沸かせる走りに期待したい。