弥彦競輪の展望 スポーツニッポン賞・日本名輪会カップ小橋正義杯(昼間・7/29~31)

S級戦(7月27日午後4時現在)

断然の本命になることが予想された吉田拓矢(茨城)、九州地区の軸になる瓜生崇智(熊本)が欠場。シリーズの勢力図ががらりと変わり、混戦になった。

自力勝負が基本になる長島大介(栃木)が中心になりそうだ。G1高松宮記念杯、GⅢ小松島記念では苦戦したが、それでも1勝ずつ挙げており、上位クラスでも戦える脚力がある。直前の平塚F1はまくり連発で決勝に勝ち上がっており、状態面は大丈夫だろう。

河野通孝(茨城)が長島に続く。前走の前橋決勝では地元群馬の蕗澤鴻太郎の番手まくりを差し切って優勝。決め手は十分にあり、長島の仕掛けが早くなると逆転がある。

柿澤大貴(長野)が地元のエース格。栃茨勢との連係か後輩の小林令(山梨)、中嶋宣成(長野)と結束してチャンスを待つ。

小川真太郎、久米康平の徳島勢に警戒する。小川は5月の弥彦で勝ち上がりに失敗しており、再度参戦の今回は意地を見せたい。混戦を誘ってのまくりが一番の持ち味で、自分でレースを作っていきたい。

久米にとって弥彦はS級初優勝の地。今年はGレース戦線でも大崩れなく戦っており、一発が怖い。

瓜生崇智、井上昌己の欠場で九州地区は戦力が低下したが、中本匠栄(熊本)は侮れない。タテ脚は確かで、熊本の若手、緒方将樹が予選から勝ち上がってくれば有利に戦える。

北日本地区の軸になるのは大森慶一(北海道)と内藤宣彦(秋田)。ラインの自力型は手薄だが、侮れない。隅田洋介(岡山)は体調がカギだ。

A級1、2班

2年ぶりのA級戦になる早坂秀悟(茨城)がシリーズリーダーになる。徹底先行タイプのため成績が安定しなく競走得点が上がらないが、前期S級戦の後半は積極策で活躍。4月の福井FⅠから6月1日の伊東温泉FⅠまでの12走で、最終バック先頭が9回。1勝、2着3回、3着3回と見せ場を作った。A級の2場所は1着がないが、先行力は発揮している。今回も積極果敢な仕掛けを披露する。

古川尚耶(栃木)が早坂にマークする。早坂とは逆でやや調子を落としてのA級戦になるが、決め手は上位ランク。差し切りに注意。

S級戦では100点に近い競走得点をマークした大塚英伸(静岡)が怖い。5月の宇都宮FⅠでは決勝に進出と、差し脚は確か。同じ静岡の小林則之に乗って台頭してくる。

小林は4月のミッドナイト開催(決勝4着)に続いての弥彦参戦になる。昨年6月の開催では完全Vを決めるなど、弥彦バンクは得意で、強烈なまくりには警戒したい。

中国地区の先頭を走る田中和磨(岡山)は状態面がカギになる。S級戦の後半はラインを引き出す早駆けが多く大敗続き。心機一転で臨むA級戦で、どこまでやれるか判断が難しいところだ。スピードタイプで一番の持ち味はまくり。弥彦までの開催で、調子はチェックしたい。ベテランの富弥昭(山口)が田中に続く。

九州勢の浮沈は、半田誠(熊本)の動き次第になる。A級特昇後の7場所中で6場所決勝に進出しており、先行力は十分に通用する。今回も思い切った仕掛けを披露なら、同じ熊本の先輩、中村雅仁が浮上する。大崩れがない西田大志(福岡)がラインを固める。

愛媛県からも実力者が参戦。軸になる和泉尚吾は長い距離を踏めるタイプで、4月の玉野から3場所連続で決勝に進出して、直前の佐世保でも3日間すべて最終バック先頭だった。主導権を取ってしまえば粘り強さを発揮できるため、同型との主導権争いがカギだ。